コンソーシアムニュース

20年10月
さがまちカレッジ人気講師が推せんする「わたしの一冊・わたしの一本」 南明日香先生

新型コロナウィルス感染症の影響でお家で過ごす時間が増えた方が多いと思います。
そこでさがまちカレッジでは、これまでに様々な分野の講座を担当していただいていた先生方に、
【おすすめ】先生が担当した講座に関する勉強ができる作品
【おためし】新しいことを勉強する良いきっかけになる作品
【お気に入り】先生の好きなことに関する作品や、先生の心に残る作品
の3つの分類から書籍や映像作品などを紹介していただきました。

「読書の秋」の今月は、一般講座の先生方からの推薦作品を紹介していきます。
この機会に新しい一冊、新しい一本との出会いを楽しんでいただけるとうれしいです。

今回は、相模女子大学学芸学部日本語日本文学科の南明日香先生です。
南先生が担当したさがまちカレッジ:永井荷風『日和下駄』にみる景観-江戸から東京へ/浮世絵で読む永井荷風-『すみだ川』と歌川広重・小林清親-

【お気に入り】パリ装飾芸術美術館浮世絵版画展1909〜1914全図録集成(復刻版)
対象:一般の方
紹介文:日本ではまだ浮世絵版画が下等なものと見られていた時期に、欧米で本格的に研究する機運が高まりました。その集大成ともいえるのが、パリの装飾芸術美術館で6年がかりで開催された連続展です。1914年の時は作家の島崎藤村が訪れて、感想を記しています。多色刷り図版と詳細な分析を添えた豪華な図録も、その都度限定出版されました。2018年に日本で縮刷復刻版が出ました。これらから西欧人の好みの主題、見過ごされがちな絵師の魅力が再認識できます。永井荷風が話題にしたコレクターたちが登場し、現在東京国立博物館でみられる作品もあります。
解説冊子執筆のためにパリのアーカイヴに通ったところ、別の場所に紛れていた書簡などを発見。何か南を使って、自分たちの偉業を後世の日本人に知らしめるという思いが乗り移ったかのようでした。その後装飾芸術美術館のJapon/Japonismes(邦題「ジャポニスムの150年」)展で図録を執筆。会場で実物を鑑賞する機会を得て、感無量でした。