コンソーシアムニュース

20年07月
さがまちカレッジ人気講師が推せんする「わたしの一冊・わたしの一本」 春山純一先生

さがまちカレッジでは、新型コロナウイルス感染症の影響で今年の夏休みこども体験講座の実施を取りやめています。
そこで、いつもさがまちカレッジで楽しい講座を開いていただいている先生方に、
【おすすめ】先生が担当した講座に関する勉強ができる作品
【おためし】新しいことを勉強する良いきっかけになる作品
【お気に入り】先生の好きなことに関する作品や、先生の心に残る作品
の3つの分類から書籍や映像作品などを紹介していただきました。

夏休みの自由研究や新しいチャレンジの参考にしていただけるとうれしいです。

2回目は、JAXA宇宙科学研究所助教で相模女子大学非常勤講師の春山純一先生です。
春山先生が担当したさがまちカレッジ:月探査機が撮影したデータを解析しよう/月を知ろう

【おすすめ】フル・ムーン
対象:小学3年生以上
紹介文:1969年、人類は月へと降り立ちました。アポロ11号です。以来、(13号は月へと降り立てませんでしたが)1972年のアポロ17号まで、飛行士たちは月に降り調査し、岩や砂を持ち帰りました。さらに彼らは、月からあるいは宇宙から多くの写真を撮り、その息を呑むような世界を伝えてきました。この写真集は、それらの中からの選りすぐりをのせた見ごたえのある本です。
2007年に打ち上げられた日本の月探査衛星「セレーネ」(愛称「かぐや」)は無人で、ほぼ月全面の写真を二つの異なる角度で撮りました。異なる角度で撮ったのは、立体視をして月面(げつめん)の高さを知るためでした。この画像と高さのデータで、月面の好きな場所についてコンピュータ上で俯瞰図を作ることができます。
人類がふたたび月へ向かう時代、本講座(注)で「かぐや」データを使って月面を見ていただきたかったのですが、この本でまずは月の世界を覗いてみてください。きっと、その世界に魅了されることでしょう。

 

【おためし】宇宙からの帰還
対象:小学5年生以上
紹介文:自分は何のために生まれてきたのか?私は、高校3年生で進路に悩んだときに思っていました。そんなときに出会ったのがこの本でした。宇宙飛行士たちが経験した様々な体験を読み、もしかしたら、自分が宇宙に行ったら何か分かるのではないか、と頭の中で何か閃いた気がしました。しかし、それは宇宙飛行士への夢とはなりませんでした。当時は、近視では宇宙飛行士になれないとされたのです。むしろ、宇宙へもっとたくさんの人が行くことで人類が何か分かるのでは無いか、そうだ、自分は人類が宇宙を目指すのに何かしら貢献しよう、と思いました。そして、大学で宇宙に関わる勉強をしたい、と進路を決めたのです。その後、紆余曲折はあったものの気づくと、今あの時の思いの通りになっています。
今世紀に入り人類は、ふたたび月を目指しています。この本を読めば、その目指す世界を一足先に見た人たちがよみがえり、その世界がどのようものなのか、を教えてくれるかもしれませんよ。

 

【お気に入り】アポロ13号
対象:小学5年生以上
紹介文:私は、JAXAで月惑星の探査に関わっています。探査には多くの困難がつきまといます。しかし、それを仲間たちと乗り越えていきます。
アポロ13号は、月へ向かう途中に爆破事故を起こします。幸いにして、宇宙飛行士たちは無事でしたが、地球へ帰るにはあまりにも遠くに来ていました。しかし、宇宙飛行士も、そして、地上で彼らを支援する人たちもあきらめませんでした。
アポロ13号は、「もっとも成功した失敗」といわれます。50年もの前、この計画に携わった人たちから、多くのことを学び取ることが出来ます。月を目指すということがどういうことなのか。その困難に立ち向かうために人は、組織はどうあるべきか。そして、月を目指すことの出来る人間とは、なんと素晴らしいのか。
現代、人類は(専門の宇宙飛行士だけでなく)、ふたたび月を目指す時代に入りました。そんな時代だからこそ、見るに価値のある映画としてお勧めです。