へりぽーと 〜地域と人とのつながりを紡ぐ〜

相模原・町田の同世代のSDGs

私たちは、同世代が取り組むSDGsの活動について特集することになりました。そこで今回は、よりみち広場で精力的に居場所づくりしているへりぽーとさんに、SDGsのゴール「11. 住み続けられるまちづくり」をテーマに様々お話を伺ってきました。


今回取材にご協力いただいた、へりぽーとの橋本さんと中島さん

へりぽーととは?

せとぴー:

まずへりぽーとの成り立ちについて教えてください。

橋本さん:

へりぽーとは私含め同学年の4人で2019年に立ち上げた団体です。空き家で居場所作りをする「よりみち広場」という活動を相原地域の方が始めるとを聞いて、学生も一緒に加わりたいと思い、たまたま声をかけたのが立ち上げメンバーの3人でした。

せとぴー:

へりぽーとができる前に、よりみち広場という活動が先にあったということですね。

橋本さん:

そうなんです。よりみち広場は、活動場所の隣に住む大家さんが地域の居場所づくりに貢献できるならと、空き家を解放してくれたんです。

せとぴー:

すてきな大家さんですよね。ちなみに「へりぽーと」の名前の由来があったら教えてください。

橋本さん:

へりぽーとはそのままヘリが停まるヘリポートからきてるんですが、私たちの活動に関わった地域の方が一休みして、また元気に飛び立てるような居場所を作りたいと思ってこの名前にしました。でも結構迷ったんです。最終的にはこういった意味づけをしたんですけど、立ち上げメンバー4人の名前のイニシャルがHだったり、みんな法政大学に在学していたので法政のHなどそこから連想しましたね(笑)

せとぴー:

偶然が重なりましたね(笑)後から意味付けをしたとしても、へりぽーとという名前は活動内容にピッタリあっているように思います!

橋本さん:

よかったです,そう言っていただけて!

活動内容について

せとぴー:

よりみち広場という活動からへりぽーとは始まり、今はさまざまな活動をされていると思うのですが、その流れや活動内容について教えていただけますか?

橋本さん:

はじめはよりみち広場で月に一度活動していました。よりみち広場は多世代交流を目的にしていたのですが、当初の利用者はご年配の方が多くお子さんが少なくて。そこで始めたのが「プラレールで遊ぼう」という企画です。メンバーのうちの1人にかなりのプラレールオタクがいて大量のプラレールを貸してくれました(笑)すると子どもたちが親子で遊びにきてくれるようになり、交流できる世代が広がったと実感しています。

せとぴー:

私もSNSでプラレールを楽しんでいる様子を拝見したのですが、あの規模で遊べるってなかなかないですよね!めちゃガチですね(笑)

橋本さん:

また,活動を続けていく中で、もっと学生や若い世代が地域に関わるきっかけを作れる活動をしたいと思うようになりました。

それで今は「町田市市民共同フェスティバルまちカフェ」というイベントで学生応援隊という活動を行っています。そこに参加している町田市の市民団体やNPO団体と、興味のある学生さんをマッチングする取り組みをしています。

その後「めだまやき基金」という助成金を立ち上げました。ずっとお世話になってきた地域のとあるおじいちゃんが10万円を寄付してくれることになったので、自分と同じ世代やもっと若い学生さんに使ってもらえるような助成金制度をはじめました。活動を1から立ち上げるとなると、やっぱり活動資金が必要になります。10万円という額は決して多くはありませんが、活動の立ち上げや継続、彼らのやってみようという気持ちを応援したいと思ってます。

境界をつくらないということ

せとぴー:

主な活動内容についてお伺いしたのですが、そのなかで意識していることがあれば是非教えていただきたいです。

橋本さん:

なんだろう意識していること…なんでも大丈夫ですか?(笑)強いて言えば,団体と団体に所属していない人との壁を作らないようにしています。色んな方と一緒に活動するので、対等な関係性をつくっておくと気軽に話しかけてもらえたりするので。線 を引くのではなく、むしろ仲間に入れちゃうぐらいの感覚でできたらいいなって思います。

中島さん:

たしかにそれは実感しています。私がへりぽーとに入る前にへりぽーと主催のオンラインイベントに参加したんですが、運営側と参加者との境界がなくてみんなでイベントを作ろうという感じでした。なんならちょっとずつ、他にこういうイベントがやるんだけど「さえちゃん一緒にどう?」とか声かけてくれて。へりぽーとに入る前からいろいろお手伝いみたいなことをしてました。そういった感じで、出会った人や活動に参加してくれた人がお手伝いしやすい、中間部分のある団体だなって思います。

せとぴー:

地域の人からキャリーバックを貰ったというツイートを見ましたが、地域の方も壁をつくらないへりぽーとさんにとても協力的ですよね。

橋本さん:

懐かしい!あれは半分、ゴミの押し付けのような感じですが(笑)あのキャリーバック以外にも、ストーブや扇風機などはほとんど貰い物です。空き家には冷暖房がないので夏は暑く、冬は寒いんです。それを地域の方に話していたら、「暖房一個余っているから持ってくるよ」とか「扇風機使ってないから」と言って持ってきてくださって・・・

せとぴー:

地域とのつながりの深さを感じますね。

橋本さん:

ただお金がないってのもあります(笑)

自分の居場所にも

せとぴー:

中島さんはへりぽーとの活動でやりがいをどういった場面で感じますか?

中島さん:

よりみち広場は今、月に2回開けていて、当番は月に1、2回程度なんですけど、私それがすごく楽しみなんですよ。よりみち広場をは全然人がこなくてメンバーとずっと話している日もあればたくさん地域の方が来てくれる日もあって。どちらにせよ楽しいです。

せとぴー:

へりぽーとさん自身も楽しんでいて、自分の居場所づくりにもなっているというというのが素敵ですね。橋本さんはどうですか?

橋本さん:

社会人になって、居場所作りの活動をやめちゃうと、仕事や家以外での社会的な繋がりがなくなってしまうので、やめなくてよかったなと思います。休日に活動できる場があるということは自分にとってもすごくいいことだなと思います。

あと、私のやりがいとしては、学生さんと地域の方とを繋げると、最初はお互い緊張したり慣れなかったりで、お見合い状態になっちゃたりするんですけど、その表情が和らいで、「楽しくなってきたんだろうな、お互い」という瞬間を見ることが嬉しいですね。

セーフティーネットとしてのへりぽーと

せとぴー:

へりぽーとさんは活動を通してどんな地域にしていきたいと思っていますか?

橋本さん:

私は社会人になって、学生時代地域で活動してきてよかったと改めて感じているので、私たちのように学生さんや若い世代の方がちょっとでもいいので地域に触れる機会が増えればいいですね。地域に居場所があることや、色んな人生を歩んできた大人がいるということが社会に出た時にわかっていると、それが安心材料になり、迷った時の選択肢が増えることは若い人にとっていいことだと思っています。

中島さん

そうですね。へりぽーとはこの4月で学生メンバーがいなくなってしまうのですが、頻度が月に1回になってしまっても、よりみち広場を続けたいと思っています。今後もよりみち広場が開くことを楽しみにしてくれる、地域の方が増えたらいいですね。

せとぴー:

先ほどは、ヘリーポートとそれ以外の壁を作らないと言う話だったんですけれども、学生というものにも囚われないで続けていこうという意識を感じました。

大学での学びとへりぽーとのつながり

たまこ:

中島さんは大学ではどういったことを学んでいますか?

中島さん:

大学ではボランティアに近い領域、社会教育を学んでいます。ただ、ヘリポートのみんなが地域活動を学んでいるわけではないです。

たまこ:

大学での学びが活動に繋がった、または活かせたと実感することはありますか?

中島さん:

学んでることが近いってこともあって、大学の授業が外に出る機会ばっかりでした。横浜市内のNPO法人、大学の外の地域活動に近い大人と出会う機会があったり、そういう活動に参加する機会が多くあってヘリポートの活動につながっていたのかなと思います。

橋本さん:

私は福祉の学部にいたのでバリバリ活動につながりました。大学の試験も楽でした(笑)福祉の試験ってこういう地域に対してこういう地域課題があってあなたなら、ソーシャルワーカーなら、どーゆうことする?って問題が多くて、私ならこういうカフェを作る、とか私はすごい楽でした。きちんと現場を見ながら学問を学べたのが大学時代でした。地域で見たものが理論的に、全国的に世界的に見たらこうなんだ、大きいものと小さいものをいつも交互に見ることができました。すごい貴重な時間だったと今となっては思っています。

たまこ:

ヘリポートでの活動が仕事で行かされる場面とかもありますか?

橋本さん:

私は仕事もとっても近いので、むしろ変わらないです。大きな企業やスタートアップの企業、公務員になった人もいてみんなばらばらです。

断るところは断る

たまこ:

活動と学業とを両立するために工夫していることはありますか?

中島さん:

私はボランティアとか地域活動、私の解釈ですが自分のやりたいことを好きな範囲内でできるのがすごいいいところだと思っていて、やっぱり地域の人と活動していると、戦力にされがちというか、囲い込みがすごいあったりするんですけど、やっぱり自分が楽しくないと続かないし、行きにくくなっちゃうのはもったいないなと思うので、今の私ならここまでできるよ、とかあんまり下請け会社っぽくならない感じには(笑) 断るところは断る、そこは、自分が今やっててちゃんと楽しいかなっていうのはすごい意識してきたところかなと思います。

橋本さん

どっちも楽しかったので、どっちも大切だったんですけど、無理な時は「無理です」といった方が、これから学生と活動していくであろう地域の人のためにもなるだろうし、これから一緒に活動する後輩たちのためにもなると思うので、時間的に学生が厳しいことは伝えたりとか、逆に長期休暇なら活動しやすいですとか、よく話す様にはしていました

たまこ:

これまで活動してきた中で無理なお願いありましたか?

橋本さん:

いっぱいあったけど、なんだろう…。みなさん同じかもしれないけど、詳細が分からないイベントの手伝いだけをお願いされるとか(笑)

お世話になった方へ挨拶回り

たまこ:

中島さんは現在大学4年生ということですが、大学生の間にしておきたいことはありますか?

中島さん:

春休みでやったことだと、大学周辺でお世話になった人がたくさんいて、挨拶回りに行きました。就職先はどこどこですとか、LINEで卒業後はこんな感じですとか。やっぱりそういうことやると、相手も大学卒業後も繋がっていたいと思ってもらえるし、私の周りには世話好きのおばちゃんが多くて(笑)私自身も大学卒業と手放すのはもったいないなと思ったし、大学生活全体で言うと私はサークルとかバイト以外にも地域活動とかボランティアとか別にハードル高くないと思ってるから、みんなやったらいいのになーって思ってました。お金はバイトと比べて全然出ないけど、バイト以上に得られるものがあるからもっと伝えられたらいいんじゃないかなって思ってます。

たまこ:

橋本さんは大学生のうちにしておいてよかったことありますか?

橋本さん:

なんだろう、なんでも大丈夫ですか?ゼミとか実習とか、大学生特有のもの。私も結構頑張ったんですけど、あーゆう勉強の仕方って社会人ではできない。それはすごく1年間で痛感しました。自分で勉強しようとしないと社会人は勉強はしなくて。学生時代、先生からフィードバックをもらいながらできたってことは本当によかった。その時の学生同士で議論したこととかは仕事していても役立つことがあるし。学生時代しかできないこと、なんでもそうなんですけどやっておいてよかったなってシンプルですけど思います。

大学卒業後の活動

たまこ

大学卒業後も何か活動したいと考えていますか?

中島さん

一個上の先輩たちが続けてるのもあって、私も続けていくつもりですし、へりぽーとに入っていなかったとしても、何かしら仕事だけでなく、もう一個別のコミュニティーを持ち続けたいタイプなので、続けていける範囲で続けていけたらいいなと思います。

たまこ:

他のメンバーの方もヘリポートの活動を続けていますか?

橋本さん:

今のところ全員で続けてて、なんとかきました(笑)これから先結婚したり、子供産んだり、私や他のメンバーも、転勤で遠くになるとか、色々あると思うんですよ。だから、どうやって続けていけばいいのかな~と思いつつ、なかなか学生時代から続けてきた活動の前例があまりまわりになくて、どうしたらいいんだろう…が正直なところです。いろいろ力を貸してほしいのが本音です。応援してほしいなと思います。

SDGsに絡めて

おか:

活動の中で、SDGsを意識して活動していますか。

高橋さん:

していないです(笑)さえちゃんはどう?

中島さん:

「そういうのに関わる活動だったんだな」と思うことはあっても、やる前に意識しているのかと言われたら、中々…。

おか:

へりぽーとさんは、「まちづくり」をどう考えていますか。

中島さん:

まちづくりをしていくと、住む人が安心感を持てたり、この地域に住み続けたいなと思ったり、住んで良かったなと思うものに繋がっていくのかなと思っています。例えば寄り道広場だと、「開けていても誰も来ません」っていう日があったりするんですけど、通りがかりの人がちらっと見てくれたり、車通りの多い道に面しているので、車の助手席に乗っている方とすごく目が合ったり(笑)「あそこによくわからないけど、たまに開く寄り道広場っていうものがあるんだ」って近所に住んでいる人とかに思ってもらえる活動になっているのかなと思います。それがへりぽーと『寄り道広場』なりのまちづくりなのかなと私は思います。

高橋さん:

まちづくりって凄く広くて、私はみんなと楽しく暮らすことが一番いい状態だと思っています。趣味が楽しい人もいるし、家族の仲が良くて幸せな人もいるし、こういった地域活動をやりがいにしている人もいるし、そういったみんながたくさんあるものの中から好きなものを選べたり、関われる状態が、いいまちづくりなのかなと思っています。

おか:

3年間活動をする中で、なにか変化はありましたか?

高橋さん:

自分たちが楽しい活動は今も続けているし、やってもいるんですけど、活動の変遷と共にメンバー内の意識も、自分たちじゃない人、凄く大きく言ってしまえば社会に目を向けて、自分たちが楽しい!ってところから、それを共有したり、発信していくってなってきたのがこの三年間、一番の変化かなと。かっこよく言えば、ですけどね。

おか:

学生がSDGsに取り組むことについてどう考えていますか

高橋さん:

とてもいいことだと思います。SDGsは私の中でコミュニケーション的なイメージがあって、お互いよくわかっていなくても、「SDGsについてこんな活動してる」と分かると「似てるな」とか「何か一緒にできそう」とか。分野や世代を超えるときに、一つのツールとして、お互いに理解が進む、SDGsがあることによってすごく分かりやすいなと思っているので、学生がやることに関しては素晴らしいと思っています。けど、認知度はやっぱりあまりないじゃないですか。だからコミュニケーションツールになればいいなと思う反面、あまり日本ではなりきれていないなというのが残念なところ。だから学生や若い方だけがやっているともったいないなとは感じます。

中島さん:

確かに。認知度に差があるなとは私も思います。中身を空けるといろんなジャンルの話があるのに、『SDGs』だけで片付けられちゃうのはもったいない。せっかくそういうのとからめているのなら、中身を含めてもっと良さが知られるようになるといいのに、と思います。

おか:

SDGsのゴールの11番以外に意識していることはありますか。

高橋さん:

SDGsの16,17は団体の趣旨として大事にしています。みんなが対等な立場であるところや、自分たちだけでなく、みんなと関わって解決をして楽しんでいこう、というのは意識的にも無意識的にもやっているなと思います。5番のジェンダー平等については、団体のジェンダーバランスは男女比が半々になるようにしています。どっちが多いから悪いという話ではないんですけど、どっちの意見もあったほうが団体としても成長できると思うので、意識をしています。あとは、8番のワークライフバランスはこれからちょっと関わってきそう。欲張りすぎかな?(笑)

中島さん:

でもそうやって、団体の運営しかり、活動の内容もそうですけど、ちょっとずつSDGsに関わっていっているんだな、SDGsにつながる活動をやってるんだなと、新たな見方を学ぶことができました。

おわりに

おか:

今後取り組んでみたいことはありますか。

中島さん:

メンバー皆が社会人になるというのは、大きな分岐点だなと思います。学生との接点が減ってしまい、後輩に声をかけたり授業で知り合ったりというのが無くなってしまうので、学生との話を広げて、新しく入学する人たちとも出会っていけたらなと考えています。

高橋さん:

団体の話で言うと、NPO法人化を進めていきたいなと思っています。これからも団体を続けていきたいので、助成金にチャレンジしたり、社会的に団体として認められるように法人化をとって頑張っていきたいという思いがあるので、そろそろ進められたらと思っています。SDGsのことでいうと、いろんな地域団体との関わりをもっと増やしたいです。うちの団体は専門性がないし、関われるSDGsの項目でも限られているので、別のゴールに関わっている団体とパートナーシップをなるべく組むことによって、もっと幅が広がるかなと思います。なので、壁がない団体になりたいなというのは今回の対談を通して感じたので、団体としてそういうふうに進めていきたいなと思っています。

おか:

とても素敵なお話しありがとうございました。NPO法人化かっこいいですね。今回たくさんへりぽーとさんの活動を知れたので、今後ともさがまちともお付き合いいただければと思います。本日はありがとうございました!!


記事製作者:せとぴーたまこおか
全体メンバー:せとぴー、たまこ、おか、なっちゃんはやし

トップページへ戻る