現役大学生のSDGs ~私たちが今できる行動~

相模原・町田の大学生が取り組むSDGsって?

私たちは、相模原・町田の同世代が取り組むSDGs活動の中で特に学生間でのSDGs活動について興味を持ちました。

そこでSDGs活動に積極的に取り組む『麻布大学 生命・環境科学部』さんに取材をさせて頂きました!

~インタビュー目標~

 ♦学生目線で身近なSDGsを見つけよう!

 ♦対談やインタビューを踏まえて自分事に置き換えてできる・していく行動を学ぼう!

 ♦学生のSDGs活動を紹介しよう!

取材に応じてくれた方々

■麻布大学側

  • 環境科学科 3年 平井悠誠
  • 環境科学科 1年 古田人陸
  • 特任助教                 坂西梓里

麻布大学『 環境科学科 』って?

よこはる:

麻布大学環境科学科ではどんなことを学んでいるのですか?

平井さん:

環境科学科ということで、環境問題について深く学んでいます。麻布大学環境科学科は、四大公害病が問題となっていた頃、それに対応できる学生を育成していくために設立された短期大学が前身となっています。そのため、「人の健康・生活とその基盤となる自然環境を守る」ということを目的として、水や土壌に存在する化学物質について分析する環境モニタリングの技術や、それらが人を含む生物に与える影響を予測するリスク評価、地域社会と環境のかかわりなど、幅広く学んでいます。さらに、今は、世界的な環境問題になっている気候変動やマイクロプラスチックの問題など、新たな学びも導入されています。

坂西先生:

設立当初は公害が社会的な問題となっていましたが、時代と共に変化する環境問題に常々対応していくような形で学科の学びの内容も変化しています。

SDGsの取り組みを詳しく教えて!

坂西先生:

SDGsに向けた主な活動は、アサヒグループホールディングス(株)さんとのプロジェクトになります。アサヒビール(株)さんでは、自社開催のイベントだけでも約1200万個のプラカップを消費されることを、かねてから問題視していたそうです。その後、東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーの技術交流会で、「高濃度セルロースファイバー成形材料」の技術を持つPanasonicさんと、それを応用させてタンブラーを作りたいと考えたアサヒビールの古原さんが出会い、共同開発されたのが“森のタンブラー”です(現在は、アサヒユウアス株式会社に事業移管)。

しかし、もちろん、タンブラーの開発だけでは使い捨てカップの減少には至らないため、次に、人々の「使い続ける」という行動への変容にどのように繋げるかが課題となりました。一方、環境科学科は、問題を解決する思考力を鍛えるPBL型学習を強化しており、現実のリアルな環境課題に学生さんを取り組ませたいという思いがありました。そして、エコプロ2019を機に、環境科学科と森のタンブラー開発者の古原さんが出会い、「森のタンブラー等をどこでどのように活用することで、使い捨て容器を削減できるのか」という課題に、学生さんのアイデアを活用しながら取り組んでいこうと意気投合し、産学連携の取り組みがスタートしました。

森のタンブラー ~麻布大学の活動~

学内でのマイタンブラーキャンペーン

アンケートに答えてくれた方に、学生がデザインしたロゴの入った森のタンブラーと蓋を渡し、約5か月間使用してもらいました。当初は森のタンブラーを配ることだけを考えていましたが、学生から「学内に設置されているウォータークーラーが使いにくい」という意見があり、タンブラーを使用するための給水装置の整備が課題となりました。

そこで、新たに生まれた連携が神奈川県内のイベントで知り合ったウォータースタンド株式会社との連携です。ウォータースタンド(株)さんが本取り組みに賛同してくださり、学内に4台のウォーターサーバーがテスト設置されました。ペットボトル使用量の削減効果は、サーバーにつけた流量計を使って給水量を計測し、その量を500mlペットボトルの本数に換算しています。2022 年 2月3日(約3か月)で 13,352 本のペットボトル、CO2 排出量に換算すると約1 .6tの削減効果が得られました。

SC相模原へマイタンブラー制の導入

スポーツ観戦に自分専用のタンブラーを持ち歩くというアイデアを提案し、SC相模原のホームゲームで「脱・使い捨て」の呼びかけをしました。Jリーグでは、スタジアムへのビン・カンの持込は禁止されているため、入場時に使い捨てコップ等に移しかえる必要があります。

そこで、麻布大学とSC相模原はクリーンパートナーを締結し、従来からデポジット制(利用者から200円を預かりカップを提供し、カップ返却時には利用者に200円を返却するしくみ)リユースカップの利用により、使い捨てカップの削減に取り組んできました。しかし、コロナの影響で返却されたカップを洗浄、殺菌する人に感染リスクがあるとして、使い捨てのカップに逆戻り。これを改善しようと学生たちが考えたのがマイタンブラー制です。2020年9月、ギオンスタジアムにて新たに「マイタンブラーの利用」を呼びかけました。

町田市のマイボトルOK店の利用促進

町田市の芹が谷公園にて、「マイボトルOK店の利用促進」と「環境問題について楽しく考えてもらうきっかけづくり」を目的として、来場者参加型の企画を行い、幅広い年齢層の方々と交流しました。マイボトル・マイタンブラーを使うことの大切さを、ひとりでも多くの方に感じてもらうきっかけの場となったと思います。また、今回の出展にあたり、学生たちはマイボトルOK店に事前の訪問取材を行い、本イベントにご協力いただける仕組みづくりを行いました。

これらのように、環境問題について楽しく考えるきっかけとなるような活動を積極的にされています。

今後、取り組んで欲しいこととは?

はるごん:

平井さん、古田さん目線で捉えたSDGsと、これからの社会はどうあるべきだと思いますか?

平井さん:

学生は行動力がありますよね。自分は江ノ島でバイトをしていて、江ノ島ではビーチクリーンをいろんな団体がやっているんですよ。そういった活動に積極的に参加するのも良いと思います。

古田さん:

自分は学童バイトで、小学生にSDGsを教えています。そんな感じで、もっと若い世代にもSDGsに向き合ってもらうことが必要だと思います。例えば、エコバックを持ち歩くことは、小学生でも気軽にできると思います。

平井さん:

それに今は、SDGsが生活の一部になっていますよね。もっと拡大して、一部の企業ではなくて、全企業が取り組むような社会になるべきだと思います。SDGsは一企業や一個人だけで達成できる目標ではないので、周りを巻き込んで、みんなで解決していく姿勢が大切だと思います。なので、個人も団体も一緒になって解決していくっていうのが、今後目指していく社会かなって思います。

古田さん:

他人がやってくれるからいいや、企業がやってくれるからいいやって思うのではなくて、一人ひとりがSDGsを自分事として考えることが望ましいですね。

同世代に伝えたいこと

よこはる:

同性代の若者にできる取り組みや伝えたいことは何かありますか?

平井さん:

マイバックやマイボトルは重要だと思います。中でもマイボトルは節約にもなり、ゴミ問題の解決にも貢献することができます。自販機で買うペットボトルは大体150円くらいしますが、大学生はお金がないので、そのお金を節約できるというメリットは大きいと思いますし、さらにゴミを出す問題が無いのでおすすめです。

古田さん:

麻布大学で作ったタンブラーを持ち歩いて使うことができたらすごくいいと感じました。今は500を超えるタンブラーを配りましたが、もっと多くの大学生に興味・関心を持ってもらうことが制作した目的でもあるので、より多くの人にタンブラーの存在を広めていきたいです。そして、タンブラー以外にもエコバッグ・エコキャップなど身近にあって今すぐにできるSDGsの取り組みがあるので、自分たちの身の周りのことからできる事を実行して欲しいです。

みんなの感想

よこはる

平井さん、古田さん、環境科学科のみなさんのアクティブな活動から多くの刺激をもらいました。森のタンブラーの活動は興味深く、マイタンブラーの導入やタンブラーに取手をつけるといった学生のアイデアが非常に面白かったです。

SDGsという大きな目標への取り組みは、何からするべきか始めの一歩が難しいという印象をもちます。ただ頭で考えるのではなく行動に移すことが肝心で、そこから得られた課題や問題点を武器に小さな取り組みを大きなものに繋げていけたらと思いました。

環境科学科のみなさん、この度は大変貴重なお時間をいただきありがとうございました。今後もSDGsの活性化に向けてマイタンブラーを持つなど、環境に繋がる取り組みに積極的に取り組んでいきたいと思います。読者のみなさんにも、何か新しいことを始めるきっかけになっていたら嬉しく思います。

おん

相模原・町田の同世代のSDGs」と聞いたときに、テレビやインターネットの記事にはSDGsを呼びかけられているけど、私たち学生間でのSDGs活動についてはお話する機会なんて今までなかったなと思いました。なので、今回取材させて頂いた麻布大学さんはもちろん、さがまちメンバー側もどんなことを日頃から取り組んでいるのかとか、相模原・町田市ではどんな取り組みが行われているのかを知れるきっかけとなる良い企画だったなと感じます。

また、取材を通して麻布大学の学生さんは、経験をすることによって自分の価値観を広げ、より自分事に置き換えて行動することのできる方々だという印象を受けました。日々変わる環境問題に対して意欲的に取り組んでいる姿勢を私も見習いたいなと思います。貴重なお話をお聞かせ頂きまして大変ありがとうございました。

この取材やWEB記事を通して同年代の方々にすこしでもSDGsに関心を持っていただけたら嬉しいです。

なおまる

これまでSDGsという言葉は聞いたことがありながら、一個人として何が出来るのかがハードルとなっており、具体的な行動に移すことが出来ずにいました。しかし、取材を通してSDGsは日常生活の少しの意識で取り組むことができ、自分事として認識することが大切だと学ぶことが出来ました。

今回、お話を聞かせて頂いた平井さん、古田さんは麻布大学に入学する以前から環境問題に関心を持っており、そして現在、森のタンブラーを通して実際にSDGsに取り組んでいることから、環境問題に対する高い意識と実際に行動に移すことの大切さを感じることが出来ました。そして、若者ならではの視点や柔軟な発想を活かして活動している姿がとても印象的でした。私自身、視野を広げて自分に出来ることから始めてみようと思います。

この度は貴重なお話しを聞かせて頂けたこと、誠に感謝しております。

このWEB記事が同年代の方々のSDGsに向き合うきっかけとなれば嬉しいです。

みっちー

SDGsの取り組みは今特に力を入れて取り組まなければいけない重要な取り組みです。麻布大学の 環境科学科のように大学生のうちからSDGsについて学べる機会があることに驚きと自分もそんな取り組みをしている学校に行きたかったなと思いました。日頃から、買い物で使うマイバック、あまりペットボトルを買わずにマイボトルを使うこともしているのでそこまで生活に変化はありませんが、周りの人たちがだんだんと変わっているのを見て、自分もまた違う取り組みをしなければいけないなと感じました。

この取材をするまでは実行意識がほぼゼロに近かったのですが、今では、身の周りのものをもう一度確認し、実行できるものはないかを考えると案外近くに転がっています。ぜひこの記事を読んだ同世代の方に少しでも興味や関心、そして実行までしていただけると嬉しいです。

はるごん

まず、麻布大学さんに取材を通して受けた印象は、まさしく“アクティブ”です。さがまち学生クラブの活動にも興味を示して逆質問してくださったり、それぞれ違う課外活動を掛け持ちしていたりと、このような積極的な姿勢と決断力が結果的にSDGs活動に繋がっているのだと感じました。

校内でのタンブラー活動、最終の検証結果が気になります。坂西特任助教、平井さん、古田さん、貴重なお話、ありがとうございました。


記事製作者:よこはる、はるごん、みっちー
全体メンバー:おんよこはるなおまるはるごんみっちー

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