今と未来を見つめる~無印良品で出来ること~

「良品計画という会社は非常に重要なコンテンツとしてSDGsの取り組みを店舗で行っています。何よりお越しくださるお客様と、店舗のある地域の役に立つ事を大命題としています。」

こう話してくださったのは、無印良品小田急町田店・店長の山谷徹さんです。今回は主に、町田市と提携して行っているフードドライブの活動地域交流災害・環境問題についてお話をお聞きしました。みなさんの近くにある無印良品でSDGsに触れて、今と未来を繋ぐ活動をしてみませんか。

フードドライブ

さがまちメンバー

まずは、無印良品さんが参加しているフードドライブについてお話をお聞きしました。フードドライブとは、家庭やお店で余っている食料を回収場所へ持っていき、フードバンクに寄付して、必要としている人たちに届ける活動を指します。

山谷さん

今、小田急町田単体だけでなく会社として、SDGsの取り組みも非常に重要なコンテンツとしています。いわゆる“第二創業”としてうちの会社も生まれ変わっていこうよ、というところでスタートしています。

最近はフードドライブという取り組みが、お店で非常に拡大しています。元々は、一昨年12月にオープンした無印良品東京有明という、生活雑貨・家具などの最大の取り揃えをしている旗艦店が、そのお店の管轄にある江東区の区役所様と連携して、地域の皆様のためにどんなことができるかを考えて始まった取り組みです。そしてそれが現在、全国にどんどん広がっています。

私ども町田市の店舗もルミネと小田急の二店舗ありますが、昨年の夏に町田市の市役所の方と連携をして、(町田市役所様が)社会福祉協議会様と元々やってくださっているフードドライブの取り組みに、無印良品の二つのお店が回収のポイントとして参加をさせていただくようになりました。

昨年7月からスタートしたこの取り組みにより、多い時はひと月73kg、少ない月でも30kg、8ヶ月(取材時まで)合計で351kg、1591点もの食材が集まりました。350kgは一般的な軽トラックが一度に運べる最大積載量とほぼ同値で膨大な量です。

このような成果は、小田急町田店の店内奥に設置されているフードドライブのカウンターに張り出されています。

さらに効果を大きくしたいところですけれど、食料の寄付の際に注意する点があれば教えてください。

山谷さん

回収させていただいているものについては、未開封で外装が破損していないものですとか、最も重要なのは賞味期限が2ヶ月以上あるものであることです。やはり、すぐ賞味期限が来るものをお渡ししては、その先のお客様にご迷惑がかかるというところです。また、常温で保存できるものですね。生鮮食品や冷凍食品はお受けできません。

ちなみに、回収された食品の割合はお米や餅などが最も多く三割程度、次にレトルトのカレーやパスタソースが二割弱、コーヒーや野菜ジュースなどの飲料などとと続きます。他にはお菓子や缶詰、調味料なども寄付されるとのことでした。

こうして集められた食料は社会福祉協議会へ送られ、各家庭へと渡ります。

山谷さん

去年の年末に、実際に回収したものを一人親世帯の方たちに社会福祉協議会様がお配りするという機会があって。ルミネ町田のスタッフと私が実際にお配りするところのサポートにも参加させていただきました。

私たちは、回収した食品を社会福祉協議会様にお渡ししてお役に立ててくださいとやっていましたが、お困りになっている方に直接お渡しすることで『本当に助かっています』といった言葉をいただいて、やはりやっていて良かったなと思いました。こちらとしても非常にやる意味や意義があったなと思います。

さがまちメンバー

実際にこうしたイベントに参加される事で、寄付した食料品の行先などを伝えていくことで、寄付する私たちの不安は解消されますよね。

フードバンクの取り組みについてどのような展望をお持ちでしょうか。

山谷さん

月20~30kgくらいをコンスタントに回収させていただけていて、それは単にお越しくださっている地域の皆様のご寄付のおかげだな、というところはあるんですけれど、まだまだ困っている方はいらっしゃって。

さがまちメンバー

新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、それまで通りの生活ができなくなった家庭は少なくありません。生活困窮に陥り、困っているという話は海外も同じだそうです。

山谷さん

食材回収の拠点やこの取り組み自体をどんどん広げて、もっと回収量を増やして、お困りになっている方全員に届けられるようになればいいかなと思っています。

今後はご家庭にある、自分たちでは使いきれないような日用品ですかね。トイレットペーパーとかそういったものも回収させていただいて、お困りの方にお配りできたらいいかなと考えているので。今後、そういった取り組みも社会福祉協議会様にご提案差し上げて、どんどん取り組みを拡大していければいいかなとお店としては考えています。

無印良品で販売している食品はもちろん、それ以外でも食品を持ち寄って店員さんに「寄付しに来ました!」と伝えれば問題なく回収してくれるとのことです。 皆さんの中には、お店に食べ物を持ち込むことに慣れていない人も多いと思いますが、勇気を出してフードバンクに提供してみるのはいかがでしょうか。

地域交流

無印良品では、独自の取り組みを通して地域の様々な方と関わることで、地域との結びつきを深めていることがわかりました。

山谷さん

町田市にある無印良品では、町田市にある事業者の方やお店の方を定期的に店舗の方に誘致して、店内でイベントを行っています。このイベントを始めたきっかけは、コロナ禍で市内の事業者様で営業が上手くいかないことや、お客様があまり来てくださらないなどというのが多分にあると思ったからです。そういった方々を店内にお呼びして、お客様に対してどのようなテナントがあるかを知っていただく必要があると思いました。

さがまちメンバー

このように、無印良品ではフードバンクのような取り組みを通して地域との結びつきを深めていることがわかりました。今後も取り組みが更に拡大し、町の活性化に繋がってほしいです。

いつものもしも

無印良品では環境問題のみならず、災害時の備えや支援にも力を入れています。それが、「いつものもしも」です。取材日は、11年前に東日本大震災が襲った3月11日でした。

山谷さん

ちょうど今日が3.11から11年というところで、無印良品では『いつものもしも』という取り組みをしています。普段、地震とか災害に備えて用意するって重い腰が上がらないところがあると思うんですけど、ローリングストック、日常でも非常時にも使える物をいくつかの商品群としてまとめています。

例えば、一見普通のコートでも、ポケットがたくさん付いていて物が備蓄できる商品とか、一般的なダブルのトイレットペーパーの5倍の長さ、1ロール125mあるトイレットペーパーは、1個保管しておくだけで災害時に使えたりとか。

また、山谷さんは当時の経験から思うことをお話してくださいました。

山谷さん

私はその時、新任の店長として群馬の店舗にいて、数週間後に宮城県名取市の店舗にヘルプで行ったんですけど、その最寄り駅からお店までの道中に、ご遺体の安置所やひっくり返った車を生で見た時に『なんかもう一瞬だなぁ』って思いましたね。

ですが、そういう期間にもお客様に来ていただいて『非常用の物ないですか。』とか、乾電池や食料品が完売したりしたんですけれど。その時に、何かあった時に役に立つ商品群みたいなものが、お店に増えていけばいいなって思いましたね。

こういう事を肌で感じると、『今できることは何かな』って思います。明日、道を歩いていて突然、車が私に突っ込んで来るかもしれませんし、毎日出来る事を無理なくですけれど、出来たらいいなっていうのは思うんです。30年、50年後の地球を作っていくのは私たちな訳ですから。」

 「いつものもしも」のコーナーには、持っておくだけで非常時に役立つ「持ち出しセット」や消火器、折りたためるヘルメットなどのアイデア商品まで置かれています。日用品のお買い物ついでに、非常時の備えを揃えてみるのもいいですね。

私たちが出来ること

無印良品の製品やサービスを利用して、私たちはどのようにこの気持ちに貢献できるか、山谷さんにお聞きしました。まずは水プロジェクトです。

山谷さん

ちょうど2年前くらいですね、限定店舗にはなるのですが、給水のポイントとしてご活用していただきました。(お水を)詰め替えられるボトルも店頭で販売しているんですけれども、マイボトルでも全然いいので、資源を大切にしていただきたいと思っています。

また、使い終わった「自分で詰める水のボトル」などのPET素材ボトルは、リサイクルできます。「自分で詰める水のボトル」、「化粧水・乳液・導入化粧液」の全サイズ・全種類の空ボトルは、キャップを外してきれいに洗って店頭に持って行くと、ポリエステル原料にリサイクルされます。

二つ目は、マイバッグを持つことです。無印良品のアプリ・MUJI passportをダウンロードしていると、レジ袋を辞退することでお得にお買い物ができます。

『レジ袋いりません』と言ってもらうと、530マイル(1マイル=1円)が付くんですよね。スタッフの間で『これ…ゴミゼロ(530)じゃない?』って大爆笑しました(笑)。

でも、やはり『ショッピングバックいりません。』、『紙袋いりません。』と言ってくれる方に対しての私たちの感謝で、レジ袋辞退の取り組みが広がることは長い目で見れば、『ごみが減るから全然いいですよね』って。

アプリでは他にも、フードドライブの取り組みについての概要や成果を確認できたり、気になる商品の在庫状況の確認やお買い上げ金額に応じたポイント還元など、幅広いサポートを受ける事が出来ます。

編集後記

今回私達のチームでは、無印良品のフードドライブや地域との取り組みについてお聞きしました。取材を通して、今まで知らなかったフードドライブやSDGs、地域との取り組みについて知ることができて良かったです。

今回のプロジェクトを通して、私達の日常生活を見直すきっかけにも繋がりました。これからは、日常生活の中でフードドライブや環境を意識した生活をしていきたいです。今回取材に協力してくださった、無印良品町田店の皆さんありがとうございました。


メンバー:チャチャぱんだみみめる、れん

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